グランマたちのまなざし、食文化の奥深さに触れる書『パスタ・グラニーズ』

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パスタは好きですか? 日本の食卓には自然に馴染んでいますね。
日本ではパスタというと乾麺ですが、本場イタリアでは、家庭で手打ちパスタを作ることも多いとか。

本書は、そんな手打ちパスタを作るおばあちゃんたちを北から南まで取材して集めたものです。

イタリア食文化を手打ちパスタで辿る

表紙には「とっておきの75レシピ」とあるので料理本のように見えますが、本書は紀行文といったほうが正しいように思います。

いや、レシピはめっちゃ詳しいので、作る気になれば作れそうではあるんですよ。手打ちパスタをやる人ならば、きっと挑戦したくなると思います。

でもね、普通のパスタ好きは、著者のイギリス人女性のまなざしをぜひ楽しんでほしいのです。
眼差しがやさしくて、記述がとてもいいのです。
名もなき女性たちが作り続けてきたパスタを取り巻くストーリーと地域の味の記憶を記録するという旅は5年にも及んだとのこと。
その労力だけでも拍手喝采ものです。

登場するおばあちゃんたちは65歳以上。ときどきおじいちゃんもいます。
最高齢はサルディーニャ島の97歳になるジュゼッパおばあちゃん。パスタを作りながらはにかんだ笑顔を向けるジュゼッパおばあちゃんの写真がよくてねえ。
泣けてきちゃいます。

装丁が美しい。海外料理本ならでは

現地の暮らしぶりが垣間見られる写真も、またパスタをのせたお皿を撮影した写真も、すべてがナチュラル。
味のあるアンティークな食器と使い込まれた台所など、庶民の暮らしがそのまま綴られていますので、気になる写真のところで手を止めて読む、という読み方がおすすめです。

また、グラフィック社らしいなあと思うのが本の装丁。箔押しでね、天地と小口も赤く塗られていて、原書PASTA GRANNIES(英語版)と同じデザインなのです。
サイズを見ると、日本版のほうが一回り小さいようですが、でも、ここまで原書を再現してくれたことは大感謝。

そういう徹底さを含め、料理本好きならばぜひ手にしてほしい本です。

そうそう、本家の英語版では、同じシリーズで新作も準備されているようですよ。2022年9月13日発行予定となっています。日本語版になるでしょうか。楽しみですね。

 →Pasta Grannies: Comfort Cooking: Traditional Family Recipes From Italy’s Best Home Cooks 

 

プロフィール

ヴィッキー・ベニソン/著
長年、シベリア、南アフリカ、トルクメニスタンなどで国際開発事業に携わる中、次第においしいものへの情熱が高じ、食に関する執筆活動を開始。
ロシアのマフィアと一緒にきのこ狩りをしたり、ケニアのトゥルカナ湖の近くでシマウマを調理したりと、その食体験は冒険心にあふれている。
著書に『The Taste of a Place(土地の味わい)』、共著に『Seasonal Spanish Food(季節のスペイン料理)』がある。

河村 耕作(カワムラ コウサク)/監修
イタリア・ボローニャにあるパスタ学校(旧ラ・ヴェッキア・スクォーラ・ボロニェーゼ)にて手打ちパスタを学び、地元のレストラン「リストランテ・ガルガネッリ」で製麺を担当。
のちにパスタ学校へ戻り、プロフェッショナルコースの講師を務める。
帰国後、河村製麺所を開業。
2012年には、アメリカのロサンゼルスにてイタリアンレストラン「ブカート」の開業に携わり、帰国後の2015年、本格手打ちパスタ工房「Base」を開業。受賞歴も多数。
ホームページ http://www.pasta-base.com/

 

日本語版制作スタッフ

監修 河村耕作
翻訳 柴田里芽
組版・カバーデザイン 田村奈緒
編集 鶴留聖代
制作・進行 南條涼子(グラフィック社)
制作協力 池田美幸

 

目次

はじめに p.9
手打ち生パスタの作り方 p.15:
基本の材料
基本の道具
卵入りパスタ生地の作り方
セモリナ粉のパスタ生地の作り方
手打ち生パスタの基本メモ
ナッツ&ハーブのパスタ p.26
野菜のパスタ p.54
豆のパスタ p.86
じゃがいも&ニョッキ p.108
シーフードのパスタ p.130
肉のパスタ p.152
スープ仕立てのパスタ p.200
ラヴィオリ&トルテッリ p.200
おわりに p.246
付録 p.250:
手打ち生パスタをもっと楽しむために
その他の材料・その他の道具
用語集
おばあちゃんたちを訪ねて
本書に登場するパスタ

 

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