あれ、この台所知ってる。リトルプレス『大人ごはん』

『大人ごはん』Vol.3 定価:本体1000円+税
発行・発売:Incline
判型・体裁:A5判、112ページ

東京・神楽坂駅を出てすぐの左手にある個性派書店「かもめブックス」で、ふと目に入ってきた表紙の写真。

あれ、この台所は…ツレヅレハナコさんのおうち!

急いで手に取って中を確かめてみると、大当たり。
ヅレヅレハナコさんへの取材記事が掲載されていました。
ちょっとレトロな昭和な台所なんだけれども、珍しいL字型のシステムキッチンで、壁からぶら下がったフライパンやへらなどのキッチンツール、L字のてっぺんあたりに積み上げられた調味料類か印象的な台所。
ツレヅレハナコさんの最初の著書だったかな、いや、朝日新聞のWEBマガジン「&W」の連載記事で見たものだったかもしれない。
いずれにしても、強烈な印象を受けた台所の写真でした。

そんな台所を表紙にする雑誌って? てなりますが、雑誌タイトルを見た時は「大人ごはん」なんてタイトルがついてて、サブタイトルが「なんでもない日々が面白い」だもの、また「自然体」とか「ていねいな暮らし」とか「なんにもないけど豊か」とか、そういう系なんだろうなーって思うと、ちょっと苦手意識のほうが先にきちゃって、斜めに構えた気分でパラパラとめくってみたんです。

1ページ目に巻頭のことば。
ふむふむ、編集長のページなのね。

目次じゃなくてCONTENTS

編集長はコンテンツという世代なんだー…ん? レシピは? あ、取材した料理の2ページ分だけだ、すると食文化本かな。

第一特集「ひとりの時間を考える」榎本一子、ツレヅレハナコ、高橋順子
第二特集「小豆島で農村歌舞伎を観てきました」

あれー、第一特集も第二特集も、はっきり食をうたったタイトルというわけじゃないのね、なんだろう?
奥付やクレジット部分が確認したいけど、字が小さくて読めない。
でもツレヅレハナコさんへの取材があるしな、ん、買おう。

なんて具合に、購入を決めるまでには

で、家に帰って検索してみれば、編集長である室谷明津子さんによるリトルプレスで創刊号は2016年4月であること、私が見つけた3号は6月末に完成、クラウドファウンディングで50万円越えの金額を集め(目標の126%!)、かもめブックスほか都内の書店で販売中であること、編集スタッフにマスダユキさん(編集スタッフという肩書き=奥付)という方も加わっていること、Facebookページ(https://www.facebook.com/otonagohan/)で日々の活動報告を行っていること等がわかりました。

ちなみに、クラウドファウンデイングで集めた費用のうち「40万円を印刷代にする」と書かれていたのからすると、A5判でカラーは8p+8pしかないから、おそらくほんとにほんとのリトルプレスだ。

でも、なんだかとても羨ましくなったのでした

雑誌編集に夢と情熱を持っていた若き頃の自分を思い出して遠い目になってしまうような…。

本が売れない、出版は斜陽だって言われているけど、いいじゃんねえ。
紙の本という形だからこそこうして皆の思いが形になって、今日まで存在すら知らなかった私のような者の手に渡るのだもの。
応援しているよ。
とそっと表紙をなでてみたよ。