おしゃれ度パワーアップ『レイチェル・クーのスェーデンのキッチン』

レイチェル・クーのスウェーデンのキッチン
定価:2,420円
発売日:2019年10月9日 発行・発売:世界文化社
判型・体裁:A4変形(24.4 x 18.8 x 2.2 cm)、304ページ

NHK Eテレで放送され、日本でもすっかり人気者になったレイチェル・クーの新刊が2019年10月9日に出ました。
結婚してママになって、スウェーデンで暮らすレイチェルの北欧暮らしの様子は、発売と同時にスタートした番組「レイチェルのスウェーデンのキッチン」でも見ることができますが、今回の本もまあ、めっちゃおしゃれ。

いつまでも眺めていたい美しさ、楽しさよ。

海外料理本の美しさよ!

ただね、ひとつだけ残念ポイントが。
日本版はソフトカバーなんですね。
日本で上製本を作るにはコストがかかり過ぎてしまうから仕方がないと思うんですが、2018年7月に一足早く英国やEU各国で出たのはもちろん上製本(ハードカバー)。
もし日本でも選択肢があったなら、私は絶対に上製本のほうを購入していました。

海外の料理本の美しさって、上製本であることも大きいと思います。
装丁を含めてデザインなのだと納得できる仕上がりなんですよ。
レイチェル本も、このめちゃくちゃシンプルな表紙写真を生かすには、上製本のずっしりとした重みが欠かせなかったのでは…と思ったりします。

でもな、とにかく制作費、高いんだよな上製本……。

既刊3冊からガラリと趣を変えた今回

ちなみに、日本でのレイチェルの既刊本は最初の『パリの小さなキッチン』(2014年5月刊)だけが翔泳社で、2冊目、3冊目の『レイチェル・クーの小さなフレンチキッチン』『レイチェル・クーのキッチンノート おいしい旅レシピ』は世界文化社からの発行。

テーマが北欧だからというわけではないと思いますが、今回の表紙には驚きます。

既刊3冊はいろいろなシーンで笑うレイチェルや料理がコラージュされた、いかにも楽しげな表紙だったのに対し、今回の新刊は、ばっさりと削ぎ落として貫禄すら感じさせるレイチェルの1枚絵だけ。

これまでとは違うのよ、見かけには騙されないわ、本当の豊かさを追求しているの…とでも言いたげなレイチェル。
母として、より体にいいものを求め学ぼうとする意識の現れなのか。

レイチェル・ワールドはさらにパワーアップ

さっそくページをめくればいつものレイチェルの世界。

輝かしい笑顔で私たち読者を見つめ返してくれて、ぽってなりながら(笑)、レイチェルが北欧で学んだというレシピ、作り方も丁寧に記されていて、これなら作れそうな予感。

食器やカトラリー、天板使いも死ぬほどおしゃれで、北欧らしい色合いの写真がめくるめく世界へ誘う…ってそんな陳腐なセリフしか出て来ないほどに、素敵世界が広がっています。
インスタ風にタグづけするならば、#豊かな暮らし #ていねいな暮らし そのもの。

もはやおしゃれを通り越して、理想像のはるか遠い遠い彼方の別世界に見えてしまう。でも、レイチェルがとにかく幸せに暮らしているのだということがわかります。

掲載レシピは、前菜やサラダからメイン、デザートまで例によって幅広いもの。

でもよりいっそう作りやすくという配慮からか、レシピ以外の文章量が増え、読み応えもあります。
レイチェルのコラム がたっぷりで、ファンは嬉しい。
また、ヴィーガン対応レシピやグルテンフリー、乳製品フリーの記載もあり、誰でもひとつはレイチェルのレシピを試すことができるでしょう。

優しいです。

ただ、日本の料理本はプロ向けを除き、ほとんどが千円台の販売価格になっているので、それから考えると、レイチェル本は軽く二千円を超えてきますから、購入するのは熱心なファンか私のような料理本マニアだけになるかもしれません。

が、今の出版界の現状を考えると、手に取りやすさだけを金貨玉状のごとく振りかざすのはそろそろ限界の時を迎えているように思います。

この値段を出してまでも欲しい本なのかどうか、本を買うことによって著者や出版社のサポートをしていきたいかどうか。

そんなことをつらつら考えた一冊でもあります。

と同時に、日本からは遠い北欧の、スェーデンという国の食文化についても、親しみを感じる手がかりをくれる本書です。
IKEAのおかげで少しだけスェーデンを感じることができるようになりましたが、スェーデン人が普通に食べている家庭料理を知る機会はそうそうありません。
野菜たっぷりな食生活に意外に思うかもしれません。

ちなみに本書、日本語版のレシピ監修は料理家の若山曜子さんが務めていらっしゃいます。
日本では入手しづらい材料や代用品の説明もプラスされているので、その点でも安心。
実は、レイチェルの日本語版1冊目では、時々、あれ? と思うレシピがあったのです。ひとつふたつ作ってみた時に、説明が足りない…と思う点もあって。

ただの翻訳ではない、料理をする人の視点が入っているかどうかは料理本においてはとても重要なことのように思います。

著者プロフィール

(本書より)ロンドンの名門芸術大学セントラル・セント・マーティンズ・カレッジを卒業後、フランス菓子への情熱が高じてパリに移住し、ル・コルドン・ブルーで学び、製菓ディプロマを取得した。その後、世界各地を旅しながら、ロンドン、パリ、ミラノ、シドニー、ブエノスアイレスなどで大小のクライアント向けのさまざまな食のプロジェクトに携わり、自ら料理のワークショップを主催するなど、フードライターとしてのキャリアを積んでいる。ホテルやレストラン、一流企業のコンサルタントも務め、料理とライフスタイルのオンラインマガジン「Khoollect」を運営し、Khoollect名義のクリエイティブスタジオとワークショップスペースをロンドンに開設した。2016年にスウェーデンに移住し、現在はスウェーデン人の夫と子どもと暮らしている。本書はレイチェルの6冊目の料理本になる。

公式サイト http://www.rachelkhoo.com
ライフスタイルマガジン http://khoollect.com

スタッフ

訳者: 清宮真里
日本語版レシピ監修: 若山曜子
デザイン: 河内沙耶花(mogmog.Inc)
校正: 金沢淑子
編集: 飯田想美

目次

Introduction
はじめに

Swedish pantry
スウェーデンの食品棚から

Spring

レモンとキャラウェイ風味のキャベツサラダと海老のグリル
焼きリーキ入りホイップバター
根菜のクリスプ、キャビアと赤玉ねぎ添え
スェーデン風クリスプブレッド
春キャベツのヴィネグレット添え
ゆで卵とアンチョビのサラダ(グップローラ)
薫製ソーセージ入りのポテトケーキと小海老のサラダ
ホースファディッシュとチーズのダンプリング
パヴェットステーキ、ライ麦パンのクルトンとマスタードシードのピクルス添え
ビーツ・ア・ラ・リンドストローム
春のイラクサとチキンのパイ
鱈のオーブン焼き、ホワイトアスパラガスとつぶし卵ソース添え
スウェーデン風シュニッツェルサンドイッチ
手巻きロールキャベツ(コールドルマ)
スウェーデン風炒めもの(ピッティパンナ)
タコスピザ
クリームバンズケーキ
ローストしたルバーブとカスタードのマジックケーキ
チョコレートボール
スウェーデン風マーマレードのビスコッティ(スニッタル)
アーモンドとこけもものバンズ
カルダモンロールのボンブ

Summer

ザリガニのスープ
パンケーキ
コールラビのサラダ、ひまわりの種とタンポポの葉のペースト和え
きゅうりの冷たいスープ、ビーツヨーグルトのグラニータ添え
岩魚のグリル。フェンネルとディルと赤すぐり添え
ホットスモークサーモンのサラダ、グラブラックスドレッシング
にんじんのサラダ
3種の鯖の酢漬け
赤いキャビアのケーキ
スマッシュドポテトとグリーンソース
赤キャベツとりんごのコールスロー
ザリガニ
ミッドサマーサラダ
鶏肉と新じゃがいもと豆の煮込み
ヴェステルボッテンチーズのパイ
ポーチ度チキンといちごの酢漬けのサラダ
ソーセージストロガノフ
オートクッキー
犬が食べちゃったチョコレートケーキ
メレンゲの花冠
手作りウェデイングケーキ
キャラメルナッツ入りブルーベリースープ
ミニプリンセスケーキ、バラの生花を添えて
ブルーベリーのブレックファーストパイ
プラムトスカケーキ

Autumn

ローストバターナッツのワッフル
ベーコンとプルーンを詰めた焼きりんご
ポルチーニトースト、ベーコンとタイム添え
バターナッツとにんじんのパンケーキ
ブラウンビーンズのトーストのせ
黄えんどう豆のスープ
大麦ときのこのリゾット
秋のブッダボウル
じゃがいもとグリーンピースのダンプリング
鴨胸肉のフライパン焼き、エルダーベリーソースとバターほうれん草添え
鹿肉のサルティンポッカ
ミートボール
スウェーデンの豆ボール、バタービーンズのマッシュ添え
猪肉のブリトー
船乗りのシチュー
カルダモン風味のハートのビスケット
チーズケーキ(オストカーカ)
ブルーンとくるみのスフレ
フレッシュチーズ塩キャラメルソース
りんごとチーズ入りスペルと小麦粉のバンズ
ラズベリージャムとチョコレート味にする場合
ダークチョコレートバタークリームのビスケット
ラズベリーとライ麦粉のクッキー(ハッロングロットル)

Winter

カリカリケールとこけもものサラダ
レイチェルのキャビア
ビーツの塩釜焼き
ライ麦粉とスペルと小麦粉のフラットブレッド
小海老のトースト・スカーゲン
ブラックプディングとコケモモも入りの蒸しパン
ほうれん草と落とし卵のクリーム煮
スウェーデン風サーモン(グラブラックス)のポキ丼
ハッセルバックセロリアックの「ハム」
ターキーとこけもものクイックシチュー
ヴァレンベリ家のハンバーガー
シーフードのサフランシチュー
黄色インゲン豆のファラフェル、赤キャベツとディル添え
サーモンのスローロースト
ヤンソンの誘惑
聖ルシアのサフランバンズ(ルッセカット)
ライスプディングのスフレ
洋梨とジンジャービスケットのパイ
ホワイトチョコレートとベリーのココナッツマウンテン
レモンとディルのパルフェ
ペパーミントとチョコレートのプロフィットロール
ブルーチーズクリームのジンジャービスケットサンド
洋梨のグロッグ煮、シトラスシャンテリークリーム添え
プラリネとバースニップのケーキ
ヘーゼルナッツとりんごのケーキ
グロッグ(スパイス入りホットワイン)
スペルと小麦のプディングとシナモンハニーコム

Condiments & Sundries
調味料、ピクルス、ジャムなど

ビーツのフラットブレッド
赤玉ねぎのピクルス
りんごのチャツネ
エルダーケッパー
きゅうりのピクルス
こけもものジャム
こけもものザワークラウト
きのこのピクルス
マスタードシードのピクルス
にんじんのケチャップ
こけもものジャムとシードのクラッカー

 

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