超絶おすすめ『小林カツ代のおべんとう決まった!』

小林カツ代のおべんとう決まった!
定価:1,650円
発売日:1998年3月30日
発行・発売:講談社
判型・体裁:B5(25.6x 18.2 x 1cm)、120ページ

料理研究家といえば小林カツ代さんという名前が上がるほど、長らく日本の家庭料理をぐいぐいと牽引してきた方。

でも、私がなかなか彼女の料理本を買うまでに至らなかったのは、あまりにも身近なレシピだったからかもしれません。

スパゲティで焼きそばの衝撃

そうなんです、この本は私がはじめて買ったカツ代本。

それも、息子のケンタロウさんが子どもの頃に大好きだったおべんとうは、カツ代さんが作る焼きそば弁当だったというのをどこかで読んで、一気に興味を持ったから。

で、本書を手にとってみたら、ありました、ありました。
焼きそばのめんではなくて、スパゲティを半分に折ってソースで炒めた「ソース焼きスパべんとう」。

これかあ!

にんじん、ピーマン、キャベツに豚肉、そしてソーセージ3本をどんとのっけて青のり削り節紅しょうが。
正しい焼きそばです、おいしいやつです!
しかも付け合わせのおかずは、ラップに包んだだけの塩きゅうり。
なんて潔いんでしょうか。

そこから一気に引き込まれたのです。

時代は変われど基本は基本

本書をじっくり読み込んでみました。

表紙も表4(裏表紙)も、今のInstagramではほとんど見かけない、いわゆる昭和なお弁当。
グリーンの角丸タッパーが使われています。
でも、本書の発行は19984月でしっかり平成なんですよ。

私が買ったのは、2014213日の発行で、なんと第24刷! きっと今ではもっと版を重ねていることでしょう。

その理由ももっともだと思うんですよ。

表4のお弁当は、「薄切り肉の醬肉べんとう」なんですが、使う材料は豚肩ロース以外は赤ワイン、水、しょうゆ、さとう、しょうが。
作り方はとてもシンプルで、調味料を煮立てて豚肉をほぐし入れて、「強火でガーっと煮からめる」(原文ママ)。
油を引くでもなく、ガーっと煮からめるだけ、なんて簡単。

付け合わせのきぬさやとにんじんの甘煮はひと鍋でできるし、じゃがいものカレー粉ふきもひたひたの水を入れた鍋を火にかけるだけ。
シンプルだけどその調理法を採用する理由もさらっと書き込んであるし、おべんとうに便利な常備品などのヒントも。

料理初心者ならば、カツ代さんの言う通りにまいにちお弁当を作っていたらば、間違いなく料理の基礎が身に付くっていう内容になっています。

もちろん今の時代だったら、ひたひたの水を入れた鍋じゃなくて、電子レンジでチンしちゃったほうが早いし安定の出来上がりになると思います。
でも、時間のあるときにでも、ちょっとやってみてほしいなと思うレシピがたくさん。

そうか、こうしたらこういう出来になるんだと体感できたらきっと、がんばって作り置きをしておかなくても、朝の15分があればおかずは出来上がっちゃうから大丈夫だと思えるようになるってすごいことじゃない?
そういう体験ができる、やってみようって思わせるのが今後の料理本が存在し続ける理由になると思うんです。

ちなみに「チャーシューチャーハンべんとう」では、「具だけいためて火を止めて、ごはんを混ぜるだけにするとうまくいく」、とあります。
そうそう、そのほうがパラっとなるし、油っぽくないから私もその方法で作ってる! と嬉しくなった一文でした。

カツ代先生のカツが今こそ必要

あとね、余計な「なんとかの素」とか「なんとかのなんとか」を使っていないのもいいのです。干ししいたけとか干しえびとか、ねぎやしょうがといった香り野菜を使い、食材と調味料の組み合わせで奥行きを出しているのがわかります。

「おべんとうに果物を入れるのは反対!」とか「「アクセサリー野菜は使わない」なんてズバッと言うあたりも拍手。

キャラ弁とは言わない時代にすでに、「飾りおかずには問題あり」と釘を刺すのも忘れていないカツ代先生。
「ハッキリいって作り手の趣味」とまでおっしゃる。
そこまで言ってくださると、私の喉の支えが完全に取れます(笑)。

今も元気でいらしたら82歳。

20141月に逝去された小林カツ代さんですが、その年齢でもまだまだお元気な高齢者が多いことを考えるとお隠れになるには早すぎました。

2448レシピという膨大な量が収録された『小林カツ代料理の辞典 おいしい家庭料理の作り方2448レシピ』(朝日出版社)をいずれここでも紹介しますね。

著者プロフィール

小林カツ代
家庭料理の第一人者としてテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などで大活躍する一方、エセイストとしても精力的な仕事ぶりを発揮している。著書は120冊を超し、各地の講演にも引っ張りだこ。生まれは大阪の商家。料理上手な母親の愛情に包まれてのびのびとおいしいものを食べて育った。年子の一女一男を育てながら、より早くより簡単で、よりおいしいをモットーとしたレシピを次々に考案。おべんとう作りにも、常識にとらわれない独自のアイデアを数々生み出している。(すべて本書より) KATSUYOレシピ https://recipe.sp.findfriends.jp/

スタッフ

  • アートディレクション 長友啓典
  • デザイン 加藤茂樹+K2
  • 撮影 青砥茂樹(講談社写真部)
  • スタイリング 坂井典夫 川崎万里子
  • 編集協力 山田富起子
  • 校正 中沢悦子
  • 編集 講談社エディトリアル

目次

はじめに

肉がメインのおべんとう

  • 三色べんとう
  • 小林家の肉丼べんとう
  • つくねと竹の子のうま煮べんとう
  • 牛肉とふきの煮つけべんとう
  • おべんとう ハヤシくん
  • きじ焼き丼べんとう
  • かぼちゃと豚肉の煮物べんとう
  • ケンタッローフライトチキンべんとう
  • 豚肉とれんこんのきんぴら煮べんとう
  • 豚肉のごま揚げべんとう
  • 焼き肉丼べんとう
  • チキンナゲットべんとう
  • 和風チキンべんとう
  • ピーマンと豚肉のくたくたいためべんとう
  • 薄切りの醬肉べんとう
  • ドライカレーべんとう
  • チャーシューチャーハンべんとう
  • ソースカツ丼べんとう
  • 中華風ハンバーグべんとう
  • ピクルス入りビーフ一口カツべんとう
  • 二色肉巻きべんとう
  • 鶏の甘酢じょうゆづけべんとう
  • 豚肉のくわ焼きべんとう

魚介類がメインのおべんとう

  • ゆでさけべんとう
  • さんまの竜田揚げべんとう
  • 秋の煮物べんとう
  • 魚のケチャップあんかけべんとう
  • さけ缶の押しずしべんとう
  • えびとなすのフリッターべんとう
  • ちくわのチーズフライべんとう
  • 魚のソテーべんとう
  • たことオクラのピリ辛べんとう

卵・大豆製品がメインのおべんとう

  • 春のおにぎりべんとう
  • カラリ煮しめべんとう
  • 大豆と鶏辛みいためべんとう
  • オムライスべんとう
  • 正調のりかかべんとう
  • 精進べんとう
  • パン・パスタがメインのおべんとう

ベーコン&チキンサンドべんとう

  • タコスドッグべんとう
  • サーモン&キューカンバーサンドランチ
  • オムレツ&ポパイ&ポテトサンドべんとう
  • ツナドッグ&ハワイアンサラダランチ
  • ソーセージエッグ&バナナピーナツサンドべんとう
  • のりハムチーズ&にんじんベーコンサンドべんとう
  • スパゲティ印度風べんとう
  • マカロニサラダランチ
  • ソース焼きスパべんとう
  • 火いらずのべんとう

カツ代さんのすすめる便利なおべんとうグッズ

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