世界一美味しい煮卵からの「手抜きごはん」でベストセラー作家へ

世界一美味しい手抜きごはん 最速!やる気のいらない100レシピ
定価:1,430円
発売日:2019年3月6日
発行・発売:KADOKAWA
判型・体裁:B5変形(22.8 x 18.2 x 1.8 cm)、192ページ、電子書籍あり

本書は、2019年料理レシピ本大賞第6回【料理部門】の大賞受賞作品。

著者のはらぺこグリズリーさん(以下、はらぺこさん)による受賞パーティの様子はこちらで確認できます。

私の手持ちの本の奥付を見ると、同年3月6日発行の初版から9月までの間に9版もしています。
いわゆる重版出来、9回も増刷したってことで、帯には30万部とあります。
昨年の9月でこの部数。
2020年初頭の今、著者であるはらぺこグリズリー氏のツイッターをチェックしたところ37万部とありました。うはー。

いい人感がにじみ出るレシピ

はらぺこさんは、『世界一美味しい煮卵の作り方』(2017年、光文社)でデビュー。

同書は発売後たちまち話題の書となり、あちこちの書店の店頭で平積み&特設コーナーが出来上がっていたので、覚えている人も多いと思います。

当時のはらぺこさんのはてぶ。

とっても丁寧に書かれていますねー。
当時も2019年の授賞式もはらぺこさんの顔出しなし。
でも、このブログからはとってもいい人感が伝わってきます。

ちょっとしたつながりで、本書の「手抜きごはん」の撮影に関わった人と話す機会があったのですが、その人によると、「ちゃんと美味しくできることを追求」したレシピで「本当にいい人」という話を聞きました。
それを聞いたらご本人にめっちゃ会いたい。
いつかお願いしてみようと思っています。

掲載レシピ100+ついでレシピも

で本書は「世界一煮卵」以後、満を辞しての2冊目。
ぱらっとめくってみると、スライストマトに調味料で和えたみじん切り玉ねぎをのせただけの冷やしトマトが目に止まりました。

おお、夏はこれでいいよねー、いやいや暖房で乾燥した室内で食べるジューシートマトは旨いぞ、なったりするレシピが載ってます。
(イタリアンパセリは買っても持て余す人が多いかなー、いやおいしいからワシワシ頂きましょう!)

というように、レシピはとてもシンプルで、基本調味料を中心にしている…と言いたいところですが、巻頭の「調味料これだけそろえておけば問題なし!」の見開きを見ると、うん、味付けがワカモノだなあ、あれとこれとあれとあれはそのうちいらなくなるよー、代わりにあれが欲しいなあ、と一人ツッコミ(すいません)。

掲載レシピ数は100、とありますが、おいしそうな料理写真の隣には、イラストレーターのぼくさんが描いた「ついでレシピ」が必ず添えられています。

おかげで味変や余った料理のアレンジ方法がわかるというもの。

つまり掲載レシピは100ですが、アレンジレシピを加えるとちょうど倍、200レシピが収められているのでした。
いや、正確には「100レシピ+ついでレシピのおまけ」で余った卵白を貯めた「卵白貯金で作るシフォンケーキ」があるから201です。
おお、お得。 ←

これもどこかのレビューに書かれていましたが、野菜料理は少なめ。
てか、野菜が主役は本当に少ないです。
でもねぇ。はらぺこくまさんに野菜の必要性を叫ぶのもどうかなー。
と擁護しつつも、スイーツは15レシピもあるので、栄養バランスより、はらぺこくまさんの本能が優ったレシピの集大成だと理解すればいいんです。
そうしましょう。

編集とデザインが秀逸

そんなことより本書の注目すべき点は、レシピページの編集とデザイン。

ページの要素としては、おいしそうな写真とはらぺこさんらしい超シンプルな材料表に、3ステップないしは4ステップの調理工程という「普通」な感じで構成されています。

しかしこれに、材料を切った画像とか、フライパンに材料を並べた画像とか、加熱中のフライパンに入れる調味料とか、ゴムベラや泡立て器といった使う調理器具が俯瞰の切り抜き写真で添えられていて、「読まなくてもわかる」デザインになっているのが素晴らしくて。
どなたかのレビューに「動画を停止したような画像」とありましたが、それそれ、ナイス表現! まさにそんな感覚を切り取ったデザインです。

いやこれ、編集が大変だったと思うのです。

撮影コマ数も多くなるのは必至だし、そういうデザインにするためには、撮影時から撮り方を指定しなくちゃいけないし、指定するためには詳細なサムネイルを描く必要があるし、サムネイルを描くには材料をちゃんとチェックして必要な素材が工程に盛り込まれるようにしなくちゃいけないし、テキストに応じたスペースを確保する必要がある。
テキストだって、じっくり読み込まなくてもパッと見しただけで頭に入る映画字幕なみのテキスト分量に抑える必要がある。

その地獄のような作業を100レシピ(ついでを入れたら200レシピ)もよくやり通したなあ、編集さんがんばったなあと思わずしみじみしてしまいましたよ。

そうですよ、影の立役者は編集者ですよ。

きっと他の本も山のように抱えているはずなのに、この本以外もそうやって作っているのかなあ、帰宅時間なんて深夜だよね、働き方改革くそくらえって思ってるよね、とか勝手に想像してみる。

はらぺこさんによる

「冷やっこを作るぐらい簡単」で

「手間をかけたように美味しく作れる」ような

「世界一美味しい手抜きごはん」

と、
粘り強く編集作業を続けた編集者に熱烈大拍手を!

 

制作スタッフ

デザイン 三木俊一+守屋圭(文教図案室
撮影            松永直子 ←この方、パン屋めぐりでも有名
スタイリング        田中真紀子
イラスト             ぼく
調理協力         三好弥生、好美絵美
編集協力         深谷恵美
DTP     山本修一+山本深雪(G-clef)
校正               文字工房燦光

目次

はじめに
調味料 これだけそろえておけば問題なし!
最強のトッピング卵 絶対おすすめ3つの食べ方

  1. 最高すぎる人気ごはん10
    おつまみ角煮
    黄金カルボナーラ
    手羽元のさっぱり煮
    豚キムチ焼うどん
    カフェ風てりたまチキン丼
    じゃこピーマン
    冷やし担々麺
    絶品塩からあげ
    お手軽フレンチトースト
  2. 最速のおつまみ
    濃厚アボカド焼き
    本格マグロユッケ
    ピリ辛やっこ
    たこときゅうりの酢味噌和え
    冷やしトマト
    やみつきキムチやっこ
    焼きなすの揚げ浸し風
    無限キャベツ
    アボカドのタルタル和え
    えびの「和」アヒージョ
    じゃがトロマヨネチーズ
    きゅうりのからし漬け
    たこキムチ
    豆腐の味噌田楽
    にんにくホイル焼き
    ガーリックラスク
    フライドポテト
    ピリッと旨い鶏チャーシュー
  3. 魅惑の麺類
    明太バター醤油クリームうどん
    マヨ醤油塩昆布うどん
    簡単和風ボンゴレ
    ミートソーススパゲッティ
    俺のペペロンチーノ
    シンプルジェノベーゼ
    レンジdeナポリタン
    絶品和風カルボナーラ
    なすとひき肉のバター醤油パスタ
    明太クリームパスタ
    ねぎ香味油パスタ
    麻婆ジャジャー麺
    油そば
    冷やしカルボナーラ風ラーメン
    冷やしラーメン
    屋台風焼きそば
  4. 究極のおかず
    えびマヨ
    チーズテジカルビ
    手羽先の甘しょっぱ揚げ焼き
    ポテトサラダ
    フライドチキン
    揚げない簡単カツレツ
    超簡単オーブンコロッケ
    温玉シーザーサラダ
    肉豆腐
    本格出し巻玉子
    油淋鶏
    豚肉の洋風手抜き炒め
    絶品よだれ鶏
    極上のステーキ
    クリームシチュー
    麻婆豆腐
    レンチン肉じゃが
    モチモチれんこん餅
    レバー唐揚げ
  5. 完璧なごはん
    王道のふわとろ親子丼
    ペペロンチャーハン
    キムマヨチャーハン
    チキンライス
    あじのなめろう丼
    マグロの漬け丼
    本格しらす丼
    焼きおにぎり
    地中海風の超本格パエリア
    スタミナ豚玉丼
    伝説の卵かけご飯
  6. 気軽な一品料理
    長いもお好み焼き
    たこ好み焼き
    はちみつピザ
    自家製ガーリックピザ
    ニラチヂミ
    卵焼きサンド
    マヨたまトースト
  7. ご褒美スイーツ
    ガトーショコラ
    焼きりんご
    濃厚バニラアイス
    パンケーキ
    簡単バナナ蒸しパン
    チョコカップケーキ
    牛乳ゼリー
    自家製プリン
    芋ようかん
    パン「粉」ケーキ
    本格チョコチップクッキー
    パウンドケーキ
    手作りクッキー
    絶品ひんやりムース
    卵白貯金でシフォンケーキ

 

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